腕時計を購入する際、防水性能の表示を一度は目にしたことがあるかと思います。「生活防水」や「5気圧防水」、「200m防水」などなど。
夏は海やプール、冬は雪の中、それに突然の豪雨や便器に落としたり(トイレに落とす確率はスマホのほうが多そうですね)など、水に触れる機会のある生活の中で、手元にある腕時計もまた水に濡れることがあります。
今回は、腕時計の防水機能の有無や、防水機能の表示の見方、種類を詳しく紹介いたします。
防水機能とは
腕時計の内部は水に弱いです。時計内部に水分を侵入させてしまうと、針や文字盤が劣化したり、ガラスが曇って文字盤が見え難くなります。深刻な症状になると、ムーブメントが錆びつき、時計としての機能が果たせなくなる事態になります。
このような状態にならないため、時計内への水の浸入を防ぐ加工がされています。
防水性能の表示
では、どのように表示されているのか。
通常、裏蓋や文字盤に「WATER RESISTANT」と表示されています。略記として「WATER RESIST」、「W.R.」と表示されることもあります。
これは、JIS(Japanese Industrial Standard=日本工業規格)、ISO(International Organization for Standardization=国際標準化機構)に基づき性能が表示されているのです。
防水表示の有無
裏蓋や文字盤に「WATER RESIST」の防水表示がない腕時計は、非防水時計です。手を洗ったり、雨に濡れたり、少しの水であっても壊れる可能性がありあます。直接、水に触れないよう注意しましょう。
防水表示の種類
防水表示にも種類があります。それぞれの防水機能の表示を詳しくみていきましょう。
日常生活用防水時計 (2気圧防水、3気圧防水)
仕様:2気圧防水(2atm、2bar)、3気圧防水(3atm、3bar)
表示:「WATER RESIST」「W.R.」
防水表示の中でも一番水に弱いです。
日常生活用強化防水時計
日常生活防水より防水機能が高くなっています。
それぞれの気圧によって表示が異なります。
5気圧防水
仕様:5気圧防水(5atm、5bar)
表示:「WATER RESIST 5BAR」「WATER 5BAR RESIST 」「W.R.5BAR」
10気圧防水 20気圧防水
仕様:10気圧防水(10atm、10bar)
表示:「WATER RESIST 10BAR」「WATER 10BAR RESIST 」「W.R.10BAR」
仕様:20気圧防水(20atm、20bar)
表示:「WATER RESIST 20BAR」「WATER 20BAR RESIST 」「W.R.20BAR」
ここからは水に浸かっても大丈夫になってきます。
素潜りがOKなのに水圧には耐えられません。
10気圧=100mではあるのですが、100m防水とは違います。厳密には10気圧防水は水深100mで動かない場合、という条件になってきます。
気圧は速度も関係してくるため、動き回ると水圧が10気圧以上になるからなのです。ということは、素潜りOKにはなっているのですが、潜るまでに動いちゃうし100mまで潜るのは水圧がかかるためダメですね。
じゃあ、どのくらいまで?というと、クロールで泳ぐ場合に水にバシャバシャとあたる、10~20気圧防水はこのぐらいの水圧でも危険だと思っていてよいでしょう。
空気潜水時計 100m~200m防水
仕様:100m~200m防水
表示:「AIR DIVER’S 100m」
本格的にダイビングをすることのできる高性能な防水時計です。
潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置が付属しています。スキューバダイビング(酸素ボンベに圧縮空気の呼吸気体を入れて、浅海で潜水する時)などに使用することが多い腕時計です。
オープン・ウォーターのライセンス保持者は、この100m~200m防水の腕時計を身に付けましょう。
ここからは、防水性能を維持するため、定期的に防水テストを受けたほうが良いでしょう。
飽和潜水時計 200m~1000m防水
仕様:200m~1000m防水
表示:「HE-GAS DIVER’S 300m」
防水機能としては最高レベルの性能です。
空気潜水時計は浅海での潜水まででしたが、こちらは200m~1000mの深海も耐えられる性能となっています。
アドバンスから上のライセンス保持者は、この200m~1000m防水の腕時計を身に付けましょう。
電池交換を行う際の注意
自分で電池交換をする方も多いと思いますが、10気圧以上の防水時計では、裏蓋を開けると防水テストが必要となります。防水機能が低下しても不都合でなければ、自分で電池交換を行ったり、裏蓋を開けたりしても良いでしょう。
防水テストが行えない時計店もあり、その場合、電池交換を断られる可能性もあります。
お風呂は?お水とお湯の違い
防水時計でもお風呂やシャワーには注意が必要です。
腕時計には内部に水が侵入しないように、パッキンと呼ばれるゴムが使われています。使われてる部分は、裏蓋と、横の突起であるリュウズ。
しかし、お湯がパッキンにかかると、温度変化により変形する可能性があるのです。ピッタリと水を防いでいた部分が変形すると、水が侵入してしまうのでお湯には注意が必要です。
もう一つ、お風呂で注意が必要なのは、シャンプーや石鹸なんです。
シャンプーなどもゴム製のパッキンを劣化させ、弾力を失わせてしまうことで、水を侵入させてしまうことになるのです。
腕時計を洗いたいと思ったら、洗剤などを使わず、お水をためて丁寧に洗うと良いです。
まとめ
防水性能の種類や表示を紹介しました。
腕時計選びでは、デザインや素材、機能などを重点的に見るかと思いますが、防水性能も同じく重要になってきます。
防水機能を知ることで、腕時計を長持ちさせることにもつながりますので、購入の際はぜひ防水表示も確認してくださいね。